コーヒーの飲み頃、エイジングについて。
ー 焙煎直後はまだ早い…?!
コーヒーは鮮度が大事ですが、では焙煎したての方がいいのかというと、実は数日経ったころが飲み頃になります。
コーヒー豆は焙煎されると二酸化炭素を主成分とした炭酸ガスが形成されます。お湯を注いだ時に膨れるのはこのガスが放出されるからです。焙煎から時間が経つと膨らまなくなるのはガスが抜けていっているためです。そのため、膨らむ=新鮮と言われています。しかし、抽出においてガスが多いと、粉とお湯の接触している時間が稼げずに抜けていってしますため、うまく成分を抽出できません。味も、スモーキーな香りやボヤけたような味になります。ある程度、ガスが抜け、抽出効率が良くなり味が整う時期に楽しむことをおすすめします。
プロのバリスタやロースターの間では「香りが開く」と表現しますが、飲み頃のコーヒーを効率よく抽出できた時は、豊かな味わいが口の中いっぱいに広がります。
では、飲み頃はいつなのか、コーヒー豆の買い方もご紹介します。
ー コーヒー豆の飲み頃はいつなのか。
前提として、コーヒーは農作物なので、産地や品種、焙煎のアプローチ、保存方法などで”どれも同じ飲み頃”とは言えませんが、おおよそ焙煎日より7日〜30日くらいが飲み頃です。そのため、豆を購入するタイミングは「今飲んでいる豆がなくなってから」ではなく「来週くらいになくなりそう」てときに購入されるとおすすめです。
当店で販売する豆は、焙煎日当日〜7日以内のものです。美味しく飲める期間が長く楽しめます。また、パッケージの裏に焙煎日を記入してありますので消費のスピードも意識できます。
当店では、豆で販売しているコーヒーと、ドリップ用、エスプレッソ用とではそれぞれエイジング期間が違います。お店で提供するコーヒーは常に美味しい状態にエイジングされた豆を用意しているのです。
ー エイジングによる味の変化
焙煎直後では・・・
スモーキーな焙煎香、輪郭がボヤけたような味わいで、あまり豆の個性を感じられません。(焙煎直後ならでは味わいも面白いですが。)
焙煎日より3日〜7日ごろ・・・
次第に味の輪郭がはっきりしてきます。1週間ほど経つと、明るい酸味特性やクリーンで鮮明な風味が感じられます。
焙煎日より10日〜20日ごろ・・・
甘さや質感もより立体的に感じられ、豊かな風味と、まあるい味わいになります。
焙煎日より30日以降・・・
次第に風味や甘さが損なわれ平坦な印象になってきます。酸味が強く感じられバランスが悪くなっていきます。
※あくまで目安です。豆の状態で常温保存したときのイメージです。
消費スピードに合わせて保存方法を工夫されると美味しい状態で長く楽しめます。
ー まとめ
・焙煎直後はガスが多く、味が落ち着いていない。
・「来週くらになくなりそう」のタイミングで豆を購入。
・焙煎日より3日〜7日ほどエイジングすることで香りが開いてくる。
・エイジング後は20日間くらいで消費できるとベスト。
・消費量に合わせて保存方法を変える。冷凍することでエイジングの速度を遅める。